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○こちら特撮情報局 特撮ロケ地巡り |
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○ 第14回 特撮ロケ地レポート
『愛の戦士 レインボーマン』第24・26話ロケ地 東京都世田谷区「二子玉川園跡」 |
第14回 特撮ロケ地レポート
『愛の戦士 レインボーマン』第24・26話ロケ地 東京都世田谷区「二子玉川園跡」
特派員:奥虹
取材日:2008年4月某日
今回紹介させていただくロケ地(遊園地)は、レインボーマン対マリンダ第二戦、同イグアナ初戦、さらにはヤマト一家が昼食やアトラクションを楽しむシーンなどの撮影に使用された(第24話)。同エピソード内、10年前のヤマト一家の回想シーン(二子玉川園での昼食シーン。父・一郎とタケシが「男はどんな時でも正しい勇気を忘れない」という“男と男の約束”を交わすシーン)は、第26話「秘密基地大爆発!!」にもインサートされている。
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◯『愛の戦士
レインボーマン』第24話「男の約束」あらすじ |
十字架に磔にされヘリコプターで海堡基地へ運ばれていたダッシュ7(演.水谷邦久氏)は、“雷光の術”で海に脱出したが、依然として父・ヤマト一郎(演.小泉博氏)は死ね死ね団に囚われたままだった。ヤッパの鉄(演.山崎純資氏)が偶然タケシを救出した頃、マイクロフィルムの在処を頑として吐かない一郎は死ね死ね団の拷問を受けていた。事態打開のためミスターK(演.平田昭彦氏)はキャシーにヤマトたみ(演.本山可久子氏)・みゆき(演.石川えり子氏)親子の誘拐を命じた。家族が死ね死ね団に連れ去られんとした時、帰宅途中のタケシがそれを発見しダッシュ7に化身、キャシー(演.高樹蓉子氏)達を退散せしめた。タケシは母にアジトで父・一郎と会ったことを伝え、死ね死ね団の海堡基地へ乗り込み父を救おうとしていることを語るが、母は「生きていればいつか父に会える。生命を縮めるような不幸はやめておくれ」と号泣する。その頃ミスターKは、配下の殺人プロ6人すべてを失った魔女イグアナ(演.塩沢とき氏)にレインボーマン抹殺を命じ、イグアナも必ずやレインボーマンの息の根を止めることを誓う。いかにして父を救出するか苦悩するタケシの前に、イグアナによって人間態となった愛猫(化け猫)が襲いかかってきた。タケシはダッシュ7に化身し“不動心の術”“遠当ての術”で対抗するが、化け猫の鋭い牙と爪に苦戦する。辛うじて危機を逃れ堀田(演.黒木進氏)のガソリンスタンドへやって来たタケシは、堀田に苦悩を吐露する。堀田は親子の情に溺れ大切な決断をすることが出来ないタケシの弱さを叱り励ます。しかし迷いを吹っ切ることの出来ないタケシは堀田に反発するほか術を知らなかった。10年前、父・一郎と遊んだ想い出の遊園地へやってきたタケシは、父と交わした「男はどんな時でも正しい勇気を忘れない」という“男と男の約束”を反すうしていた。そんなタケシの隙を突き、女殺し屋・マリンダ(演.水野マリア氏)が急襲してきたが、ダッシュ5の“フラッシュ攻撃”で一蹴。しかし息つく間もなく今度は魔女イグアナがダッシュ5を襲ってきた…。
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◯二子玉川園 |
二子玉川(世田谷区玉川1-15)にあった遊園地。1922年7月、多摩川沿いに玉川第二遊園地(玉川児童園)として開設された。現在の東急田園都市線・大井町線二子玉川駅東口に隣接する位置にあり、“コーヒーカップ”“フライング(ジェット)コースター”“パラシュート”などオーソドックスなアトラクションがあった。1971〜1974年は園内で円谷プロ・ヒーロー(加えて1980年代は東映ヒーロー)のショーが頻繁に開催されていた(同所は『ウルトラマンレオ』第9・12・29話のロケ地でもある)。1985年3月31日の閉園後の敷地は「ねこたま・いぬたま」(「ねこたま」はスフィンクス、エジプシャンマウなど約30種類60頭がそろう、猫と触れ合うスペースや写真スポット。「いぬたま」は様々な種類の犬と園内を散歩できるフレンドリー・パーク)や「ナムコ・ワンダーエッグ3」(2000年12月31日まで期間限定で開園のテーマパーク。遺跡探検“ザ・マミー”、SFXムービーライド“ベンチュラー”などのアトラクションからなる)などの施設が「二子玉川タイムスパーク」として転用された。その後2006年以降は再開発工事が本格化しており、跡地には超高層マンションを含む商業施設・住宅の複合施設が建設される予定である。
なお「二子玉川園」については、管理人・きさぶろう様のサイト「世田谷あちこち」内「懐かしの二子玉川」に詳しい。
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←玉川高島屋より二子玉川駅東口方面を望む。二子玉川駅は東急田園都市線(手前の線路)と大井町線(奥の線路)に接続している。画像の辺りには丁度「東急ハンズ二子玉川店」があったが、二子玉川東地区再開発計画に伴い2006年6月に閉店した。
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→色とりどりのアームが見える辺りに、かつて二子玉川園があった。その後方には1955年設立された東急自動車学校がある。現在二子玉川園跡では、二子玉川東地区再開発計画に基づき、高層マンションなどの建設が急ピッチで進められている。
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←再開発地域を挟む形で古い民家が点在している。その後方には多摩川に架かる新多摩川橋(第三京浜道路)、さらに後方には近年発展著しい川崎市内のビル街が確認できる。
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→2008年4月現在の東急二子玉川駅西口。道路を隔てた斜め向かいには『帰ってきたウルトラマン』第18・50話、『マッハバロン』第10話のロケなどが行なわれた玉川高島屋がある(なお本レポートの画像は、すべて玉川高島屋内ルーフギャラリーより撮影した)。
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◯あとがき |
二子玉川(および二子玉川園)は、東宝・国際放映・円谷プロなどからさほど離れていないためか、1970年代の特撮作品ではそれなりの頻度で撮影が行なわれたようだ。1971〜1974年は同園内で「ウルトラ兄弟ショー」が行なわれたり、円谷プロ関係者の不幸が続いたためか、1973年には同園内で『ウルトラマンタロウ』『ファイヤーマン』キャスト陣が列席しての「怪獣供養」が行なわれたときく。同園閉鎖以降は、園内撮影やイベント開催が向ケ丘遊園を舞台にしたものに重きが置かれたが、現在はその向ケ丘遊園も閉鎖となり、少子化社会でのキャラクター展開の難しさを改めて痛感させられる…。
1997年10月、ヤマトたみ役・本山可久子さんにインタビュー取材させていただいた際、「遊園地(二子玉川園)で撮影した一家の回想シーン、用意されたオニギリが寒さでカッチカチに凍っていたの(笑)」と、懐かしそうに語ってくださったことを思い出す。その本山さんは、現在文学座の舞台「風のつめたき櫻かな」で全国を巡演していらっしゃる。『愛の戦士
レインボーマン』から36年、まだまだ現役女優さんとして第一線でご活躍中とは嬉しいかぎり。“(タケシの)かあちゃん”こと本山可久子さんの益々のご活躍を心からお祈りしたいと思う。
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