トップへ 新着情報へ インタビューへ 特別企画へ 交流室へ リンクへ
 
○こちら特撮情報局 特撮ロケ地巡り
 
 第34回 特撮ロケ地レポート
『愛の戦士 レインボーマン』第46話ロケ地 東京都世田谷区「K幼稚園付近」


第34回 特撮ロケ地レポート
『愛の戦士 レインボーマン』第46話ロケ地 東京都世田谷区「K幼稚園付近」

特派員:奥虹
取材日:2008年3〜4月某日

 今回紹介させていただくロケ地は、刑務所を脱走した囚人たちが作業所に立ち寄った形跡を突き止めたタケシが、作業員に聞き込みを行なうシーンで使用された。

◯『愛の戦士 レインボーマン』第46話「サイボーグ奴隷部隊」あらすじ

 
  九州のサイボーグ工場地下、ドクター・ボーグ(演.長沢大氏)は「私が死んでも私の執念は死なない」という言葉を遺して爆死した。ミスターK(演.平田昭彦氏)はボーグが遺した“ボーグα(アルファ)”のテストをダイアナ(演.山吹まゆみ氏)に命じる。警察官に化けたDAC隊員は刑務所内に潜入すると、囚人たちにボーグαを発射。たちまちサイボーグの屈強な肉体を得た囚人サイボーグたちは、刑務所を脱走すると宝石店へ押し入りダイヤモンドを強奪した。警官たちは囚人サイボーグにより全滅。駆けつけたダッシュ7(演.水谷邦久氏)は“サンランプ”で辛うじて対抗、ボーグαの効力が無力化し囚人たちは倒れる。7は“ドクター・ボーグの執念”が「ボーグαによる日本人のサイボーグ奴隷化」であることを知り、愕然とする。その頃ミスターKは奴隷部隊の指揮をダイアナに命令。ダイアナは体操選手たちにボーグαを発射し、着々とサイボーグ奴隷部隊の隊列を増やしていた。ダイアナはタケシを国際化学工場へ誘導しサイボーグと戦わせようとするが、7はサイボーグ奴隷部隊が罪なき人々であることに躊躇し、手を下せない。膠着状態の隙を突いたゴッドイグアナ(演.曽我町子氏)は、7を魔界ゾーンに幽閉。「この手で殺し、我が娘・イグアナにその血を与え蘇えらせる」と豪語する。杖から発する火炎で攻撃してくるゴッドイグアナに対し、ダッシュ7は3(水の化身)と6(土の化身)のレインボークロスで対抗。“水冷砲の術”“地雷震の術”で圧倒すると、国際化学工場へと戻る。ダイアナは時限装置でサイボーグ奴隷もろとも7を爆死させようとするが失敗。最後の手段として、自らの身体をメルトダウンさせ7と共に自爆しようとする。しかし7の放った“太陽の剣”が首に刺さると爆死し果てた。レインボーマンの生き血に執着するゴッドイグアナは、再び7を魔界ゾーンに幽閉。7は“サンランプ”が見切られた絶体絶命のなか、ゴッドイグアナを6本の“太陽の剣”で囲むとサンランプを照射、太陽光を増幅させ魔界ゾーンを脱出する。怒るゴッドイグアナは自らの生き血から分身・バッドシスターを誕生させると、7を追わせた…。

◯K幼稚園

 
 世田谷区内にある私立幼稚園。母体となる学園は1929(昭和4)年に創設され、同幼稚園は6年後の1935(昭和10)年に設立。学園内の敷地にあった幼稚園は、その後隣接する所有地に移転し、2004(平成16)年、現園名に改名された。カトリック精神に基づき、知育・体育・徳育のバランスのとれた総合教育を建学精神とする、70余年の歴史と伝統を誇るキリスト系幼稚園である 『レインボーマン』第46話、タケシが作業員に聞き込みを行なったのは、K幼稚園用地に隣接する栄進土木の作業所(劇中、その境界線に「K幼稚園」所有地のプレートが確認できる)。ボーグαの効力により刑務所を脱走した囚人たちが、作業所に立ち寄った形跡を突き止めたタケシは、作業員に聞き込みを行なう。当該シーンで使用された「栄進土木作業所」は、K幼稚園と同じく現在の小田急線車庫(喜多見電車車庫)とほぼ隣接する位置にあった。ちなみに最寄りの「小田急線 喜多見駅」であるが、新宿駅より小田原駅に向けて第15番目の駅にあたる(距離は新宿駅より12.7キロメートル)。喜多見電車基地の使用開始は1994(平成6)年3月。高架化は1995(平成7)年3月完成。1997(平成9)年6月、喜多見〜和泉多摩川駅間2.4キロメートルの複線化が完成し、列車のスピードアップが実現した。

小田急線"喜多見駅"前の風景

小田急線"喜多見駅"前の風景。駅舎が高架化された現在、周辺にはマンションが増えたが、商店街では『レインボーマン』放送当時の風景を残しているところが少なくない。

 

K幼稚園向かいにある喜多見駅沿線の風景。画像左隅辺りに、劇中タケシが聞き込みを行なった作業所(当時、栄進土木作業所)があった。

喜多見駅沿線の風景
 
私立K幼稚園全景

私立K幼稚園全景。園舍の西側には学園関連の建物がある。

 

私立K幼稚園玄関入口。背景の右辺りに、劇中タケシが聞き込みを行なった作業所(当時、栄進土木作業所)があった。現在は住宅になっており、更にその後方が小田急線喜多見電車基地になっている。

私立K幼稚園玄関入口
 
◯あとがき

 
  喜多見はとても静かな町…という印象だった。『レインボーマン』の放送があった36年前は、のどかな田園風景が広がっていたことだろう。喜多見は古来"木田見"や"北見"と記されていたらしいが、この地に移住してきた江戸氏が、徳川家康の江戸城入城の後、おめでたい漢字をあて"喜多見"と姓を改めたことに由来するとか。喜多見駅から徒歩20分ほどの場所にある慶元寺には、江戸氏の墓地があるそうなので、再度喜多見を訪れて寺巡りでもしたいと思っている。